こんにちわ。フランス語講師のブログAu hasard des lectures へようこそ
今日はどちらかと言えばフランス語初心者の方、もしくは中級者だけど「文法の理解に穴がありますー」とおっしゃる方(結構いらっしゃいます)向けに、複合過去を作る際にêtre動詞を使う動詞についてお話ししたいと思います。
そこでご紹介したいのが、Nathalie FLEというYoutubeのフランス語レッスンサイトです。今日は特にPassé composé : les verbes qui se forment avec les deux auxiliaires être et avoir というタイトルの動画のなかからおはなししたいと思います。
複合過去に être をとる動詞全部言えますか?
代名動詞をのぞいて、複合過去を作る時に助動詞êtreを使う動詞は14個ありますが、さて皆さんは全部言えますか? そうなんです。皆さん結構うろ覚えなんです。
なぜそうなるかというと、覚える動詞は確かに14個だけなんですが、複合過去を勉強するのはフランス語を始めた初期の頃で、仏語学習初期と言えば、とにかく山ほど暗記しなければいことがあるんですよね。それも丸暗記系ばっかりです。なので、「たかが」14動詞と言われてもそれだけ覚えればいいわけじゃないのです。さらに言えば、実はどうしてもこの14動詞の暗記を後回しにしてしまうには理由があるんです。
複合過去にêtreをとる動詞を勉強した時に、「主に移動に関わる動詞」と習いませんでしたか? 私は習いました。決して間違っていませんが、これが罠なんです。
どういうことかと言うと、本当におびただしい数の単語の意味や性や動詞の活用をただただ丸暗記させられている時に、「移動に関わる動詞….」のような、少しでも「考えてわかる系」の説明を受けると、どうしても「ここは考えればわかることだから暗記する必要ないな…」ってなりますよね。
こうして、暗記せずにテストを受けて、結果として問題には”rester”や”mourrir”なんかが出ていて「resterって移動には関係ないからavoirでいいや」となって間違うんですよね。
“Maison d’être”(êtreの家)ご存知ですか?
私も”rester”についてはずーとうろ覚えのままでした。ここで、Nathalieさんのサイトに話を戻しますが、そこにはなんとMaison d’être – êtreの家という画像が紹介されているのです。
これです!!!
Une clarté déconcertante !!
わかりやす過ぎる!! …と思いませんか?
例の14の動詞は、確かに移動に関する動詞ですが、家の画像に組み込むことによって、”rester” “naître” “mourir”など、移動に関係ない動詞のとりこぼしがなくなりますよね。さらに、画像があることでより覚えやすくなっていると思います。
いったい誰がこんな素晴らしいことを考えだしたのかしら? と、Google検索してみると、なんと!同じような画像がたくさん出てきました。もしかして知らなかったの私だけ? とも思ったのですが、是非皆さんに利用していただきたくご紹介させていただきました。
因みに、この画像の中には18個の動詞が含まれていますが、その中で、”devenir””intervenir”は”venir”に接頭語を加えた動詞、”rentrer”は”entrer”に接頭語をつけた動詞なので、既にentrerとvenirで計算済みとして、通常は14個の中には数えません。もうひとつ”mourir”と同意語の”deceder”も通常は14個の中に入っていませんが、確かにこの動詞もêtre動詞をとるので、これを機会に一緒に覚えておきましょう。
自動詞にも他動詞にもなる7動詞
さらに、Nathalieさんのこの動画では、他動詞にも助動詞にもなりうることから、avoirとêtreを使い分ける必要のある7つの動詞についてもわかり易く説明されています。是非こちらも勉強して下さい。
簡単に説明しておくと、例えばentrer を例にとった場合、
Marie entre dans l’église. (マリーは教会に入る。)の例では、entrerは自動詞で使われているので、助動詞はêtreを使って、複合過去はMarie est entrée dans l’église. (マリーは教会に入った。)となりますね。助動詞être なので性数の一致も忘れないように。
一方で、
Thomas entre les données dans le fichier. (トマはファイルにデータを入力する。)という例では、entrer(入力する)は、les données(データ)という目的語を伴って他動詞として使われていますね。その場合は助動詞にavoir をとって、複合過去はThomas a entré des données dans le fichier. ですね。
このケースの動詞は monter descendre entrer sortir passer retourner の7つで、Nathalieさんのサイトのスライドがこれです。
とてもシンプルな矢印を使ったシンボルですが、とても覚えやすいと思います。
Demeurerは例外
最後にdemeureについて。
Nathalieさんの動画にもある通り、demeurer は例外中の例外です。この動詞はrester(留まる)の意味で使われる場合と、vivre(暮らす)の意味で使われる場合があって、rester(留まる)の意味で用いられた場合は être 動詞をとり、vivre(暮らす)の意味で使われる場合は avoir 動詞で複合過去を作ります。
Nathalieさんのサイトの例をそのままお借りすると、
Marie est demeurée sans nouvelle de lui. (マリーは彼の消息を聞かないままでいた。)
Marie a demeuré 3 ans à Paris. (マリーは3年間パリで暮らした。)
このdemeurerを「暮らす」の意味で使うのはかなり格式高い方々です。いわゆる”Demeure”「お屋敷」に暮らす方々を主語として使う言葉なので、ご自宅がお屋敷じゃなければ、自分には使えません。もちろんお屋敷にお住まいならこちらをお使いください。
今日はちょっと長くなりましたが、複合過去の助動詞についておさらいできましたか?Nathalieさんの文法の説明はとても分かりやすいので、是非一度見てみて下さい。