“Au hasard des lectures”

こんにちは!フランス語講師のブログへようこそ!!

みなさんは、この ” rocambolesque ” という形容詞をご存知ですか?「奇想天外な」とか「波乱万丈の」とかいう意味ですが、最近耳にした覚えはありませんか?

そうなんです。先日のカルロス・ゴーン氏の逃亡劇を形容する言葉としてフランスの多くのメディアがこぞって使っていた言葉です。これほどぴったりくる形容詞は他になかったのでしょう。今日はこの ” rocambolesque ” という単語についてお話ししたいと思います。

 

何度も調べているのに覚えられない” rocambolesque “

覚えられない単語ってどうやって覚えましょうか?

語学の学習することはどんどん新しい単語を覚えることにほぼ等しいですが、どういうわけか「どうしても覚えられない単語」ってありませんか?

「あっ、この単語!」

そう言ってモヤモヤすることがたまにあります。

長い年月フランス語に親しんでいるので必ず過去にどこかで見たことがあるはずなんですが、どうしても思い出せない。そしてしかたなくもう一度辞書を開くと

「あっ、これこれ。前にも調べた!」となる単語ってありますよね。1度や2度ならまだしもなんども同じことを繰り返すと本当に心が折れます。私にとって ” rocambolesque ” はまさにそういう単語でした。

 

形容詞 ” rocambolesque “の由来

この形容詞は19世紀(1860年ごろ)のとある新聞の「人気連載小説」にでてくる1人の登場人物の名前に由来しています。その名の通り、Rocambole という名前のキャラクターです。

 

Qui est Rocambole ?

このRocambole 君、連載小説の開始当初は実は主人公でもなんでもなかったのです。幼いころから「盗み、恐喝、殺人」にまで手を染めた悪人という役どころで、お話の中のただの登場人物の1人に過ぎなかったのですが、彼のおかげで連載小説は大流行!!!

編集部にはありとあらゆる読者からの熱烈な要望が届くようになります。

「熱烈な要望」ですので、現代のような 「SNSでつぶやく」ような生やさしいものではなかったようです。紳士淑女のみなさんが物語の筋や登場人物の設定にまでグイグイ要望として入り込んできたようです。作者も連載ならではの締め切りに追われながらも、なんとか読者の要望に答えようと頑張ります。

そうこうするうちに当初の構成は完全に崩壊し、重要人物が途中でいなくなったり、端役が重要人物になったりしてしまう奇想天外な物語となったのでした。

 

Rocambole が主人公となり小説から独立する!

そしてついに Rocambole を主人公とした新シリーズができたのでした。最初に出現したのがスピンオフ版(小説の続編) ” les exploits de rocambole(ロカンボールの大冒険)” です。

主人公となった彼は昔の犯罪を悔い改め、強いものの横暴から弱者を助ける時代のヒーローと化します。そしてこの続編もまた大ヒットとなったのでした。

 

この流れ、まさに奇想天外だと思いませんか?

そんな彼の人生を形容して「”Rocambole”のような」という言葉が生まれ、ついに形容詞 “Rocambolesque” という単語ができたのでした。

もし興味があれば、YoutubeでLes Exploits de Rocamboleを見ることができます。昔の映画なので台詞の言い回しがすこし難しいですが是非チャレンジしてみて下さいね。

 

 

暗記のテクニック「尾ひれ・はひれ」

1つの単語に随分と長い説明をすることになりましたが、実はこれ暗記のテクニックなのです。

覚えにくい単語を覚える場合はとくに、単体では覚えにくいものです。なので単語のまわりに

  • 画像やイメージ
  • 例え話
  • 類語・反対語

など尾ひれ・はひれ、なんでもくっつけて膨らませると覚えやすいです。今回は動画までくっつけてしまったちょっと極端な例ですが、ここまでブログを読んでみてどうですか?

” Rocambolesque “という形容詞、もう覚えちゃいましたよね?

 

暗記のテクニック「繰り返すこと」

覚えられない単語を覚えるためのもうひとつのテクニックはやはり地味に繰り返すことが効果的です。

今回のゴーン氏の逃亡劇のおかげで繰り返し目にし、耳にしたので覚えてしまったのではないでしょうか?フランスではそれはもう毎日、そしてどの局でも、どの番組でも、どの新聞でも、どの記事でも、

rocambolesque! Rocambolesque !! Rocambolesque !!! Rocambolesque !!! 

と、Rocambolesque の大合唱でしたね。

この1週間で滞仏30年間で聞いたのと同じくらい、いやそれに勝る回数の ROCAMBOLESQUE を聞いたと思います。もし私が学生の頃にゴーン氏が逃亡していたら、この単語を覚えるのにあんなに苦労しなかったろうに・・・と思うと、かなり悔しいです。

 

Si Carlos Ghosn s’était évadé à l’époque où j’étais étudiante,Je n’aurais pas eu autant de difficulté !!

(条件法過去が苦手な方々向けにフランス語バージョンもつけてみました!!)

 

便利な接尾語ーesqueについて

このーesqueという接尾語ですがとても便利です。名詞の後ろにつけるとなんでも「〜的な」という意味の形容詞になるんです。rocambolesqueのほかに、

  • romanesque  ( roman + esque  小説のような、小説のように素晴らしい)
  • titanesque (Titan + esque  タイターンのような、タイタンのように巨大な )

くらいは、皆さんご存知ですね。

 

  • 絵画のように美しいという意味の pittoresque はイタリア語で「絵画」を表す pittore + esque です。

ちょっと変わったところでは

  • 「悪夢」を意味するcauchemar と-esqueを合わせて「悪夢のような」とか「悪夢のような」とかに使われます。
  • Et alors l’examen de rattrapage  ? (追試どうだった?)と聞かれ、
  • C’était cauchemardesque !と答えられれば、

c’était difficileよりもずっと大変だった感が伝わりますね!

 

いかがでしたか?

新しい単語もなるべく楽しく覚えられるといいですね。みなさんも -esque の形容詞をいろいろ探してみて下さい。

ちなみにこの -esque で「ことば遊び」もできるんですよ。方法は簡単!とにかく名詞に-esqueを付ければいいんです。

  • jacksonesque(マイケルジャクソンのような)
  • tarantinesque(タランチノ風の)
  • tintinesque (タンタン風の)

などなんでもありです。そのうち Carlosesque とか Ghosnesque とか出てくるかも知れませんね。

 

 

カテゴリー: フランス語学習